**予防接種Q&A : お母さんの素朴な疑問にお答えします**

 

Q予防接種を受けるよりも、自然にかかるほうがよいのでは??

 

A:自然にかかることで予防接種より強い免疫がつくかもしれませんが、後遺症を残したり命を落としたりすることもあります。VPD(予防接種で予防できる病気)には根本的な治療法がないものが今の医学でも多いのです。

 自然にかかるということは一番強い予防接種を受けるという事とかわりません。効き目も良いが副反応(合併症)も多くなり、一番危険な予防接種を受けさせることはお勧めできません。また周囲の子供達にうつしてしまい、本人が元気に治ったとしても周囲のみんなが何も起さず治るとは限りません。周りの子供を病気から守るためにも予防接種を受けてほしいと思います。

 

Q予防接種はその病気にかかりたくない人だけ受ければよいのでは??

 

A:かかりたくない人だけ受けても、その病気の流行は防げません。予防接種の効果は100%ではないので、流行中には予防接種を受けていてもかかる人は出てしまいます。地域の多くの人が受けるからこそ、その集団での免疫(抵抗力)が高まり流行が防げるのです。病気が流行した場合、最終的には免疫力の弱い人が一番影響を受けることになります。

 免疫力の弱い人とは、特別な病気などの理由で予防接種を受けたくてもできない人や妊婦及び胎児などです。

 

Qほとんど発生していない病気の予防接種は受ける必要性はあまりないのでは??

 

A:ある病気の予防接種が広く行われると流行は抑えられ、その病気を見聞きすることが少なくなるので接種は必要ないと思われがちです。その病気が完全に世界からなくなったら予防接種は不要でしょう。しかし天然痘以外、根絶された病気はなく、我が国での流行がなくても飛行機など人の交流が多い現代では海外から持ち込まれて、いつまた流行するかもしれないので接種率を高く維持しておく必要があるのです。

 

Q予防接種を受けたらその病気にはかからないのか??

  (予防接種を受けても免疫がつかないことがあるのか??)

 

A:予防接種の効果はその種類や受ける年令などによって異なります。よって絶対にかからないとは言えませんが、多くの人が予防接種を受けてその病気の流行がなくなればかかる事はほとんどなくなります。予防接種の効果は種類にもよりますが、その病気が時々流行していると効果は持続しやすく、流行が抑えられていると5~10年で効果が弱まってきます。しかし全く0になってしまうわけでないので、かかっても軽くすむ可能性が高いです。

 

Q予防接種を受けても効果が薄れ大人になってかかってしまうなら、子供の時にその病気にかかって一生免疫をつけておきたいのですが。

 

A:自然に感染した場合の合併症のリスクは必ずあり、子供の時によりも大人になってかかったほうがそのリスクは高まる(症状が重い)ことが見られます。しかし子供の時に予防接種をしておくと、効果が減弱して大人になってかかったとしても軽くすむ事が期待され、その後の免疫も自然にかかったのと同じくらい強まります。また広く予防接種が行われるとその病気の流行が抑えられ、予防接種しなくても子供の時にかかる事が少なくなってきます。そうすると病気にもかからず予防接種も受けてない大人の人が増えてきます。予防接種を受けないままの人が残っていると数年の間には小さな流行が起こってしまい、まったく免疫のないまま大人になって感染する様な事があると重い症状になる事が危惧されます。

 

Q予防接種の種類によっては副反応が多いと聞くので心配です。大丈夫ですか?

 

A:接種後に生じる生体にとって望ましくない反応を副反応または有害事象と言います。これにはワクチン接種が原因である「真の副反応」とワクチンとは関係のない「偽の副反応」(紛れ込み)があります。この真か偽かを区別することは、局所反応(発赤、腫れ)やアナフィラキシー反応を除けば、実際には非常に困難なのです。そこで偽の反応(紛れ込み)であっても因果関係が否定できなければ副反応として認定され、副反応の真偽追及に時間をかけるのではなく、まずは救済という姿勢です。

  ほとんどの副反応は注射の場所が腫れる、熱がでるといった軽いものなので心配する必要はありません。ごくまれに起こりうるア    ナフィラキシーといった強いアレルギー反応に備え、接種後30分の院内待機(または病院の近隣にいる)と医療機関側での処置    の準備は大切です。