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抗原検査の使い分け

SARS-CoV-2抗原検査の陽性例である。

この例は日曜日来院、発熱38℃以上4日目、強い倦怠感、SpO2 96、疑わしい行動歴、中高年、呼吸器基礎疾患、喫煙歴からPCR検査(日曜なので結果が明後日になる)よりも40分程度で結果が判明する抗原検査を説明の上選択して頂いた。

結果判明後、すぐに発生届を提出、保健所からの連絡もほどなく入り、患者様および接触者への対応も本日より開始できたようだ。この間 要した時間は患者来院後2時間程度である。抗原検査のメリットを生かすことができた。

今までPCRよりも一定量のウィルス量が必要な抗原検査の使用場面の整理がついてなかったのだが今後は

当院の抗原検査の使い分けとして:

 ・検査会社のPCR検体回収作業がない場合(日曜日、時間外など)

 ・検査前陽性確率が高い場合(発熱などの症状、行動歴、接触歴などから)

  (ウィルス量が少ないと思われる無症状・軽い症状には施行しない)

 ・早めの対応が良い場合(救急、中等症以上、基礎疾患、早期隔離など)

 ・疑いが高い場合は陰性でも翌日等にPCR 検査を施行する

などに整理してみた。

近いうちに当院内で検査可能なPCR検査機器も入荷予定である。PCR検査結果が1時間で判明する事になる。一度に1検体ではあるが。

自院での検査なので医学的適応でない(社会的適応)ケースでは2~3人程度のプール式にも利用できないものかと考えている。

 

7月1日から今日まで112件(PCR109件(鼻咽喉100件・唾液9件)、抗原3件)を施行。陽性者は11名。よって陽性率が約10%にまで上がってきている。東京都の陽性率が6%後半から7%程度で推移しており急激な増加はないようである。当院では10人に1人、身近に感じざるを得ないのである。