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志村けんさんの警告

3月29日志村けんさんがSARS-CoV-2肺炎にて亡くなられた。病状悪化が急速だったようだ。COVID-19の多くの経過は最初1週程度は軽い症状があり80%の方はそのまま軽快に向うが、残り20%はそこから悪化し、重篤な方は2~3日で呼吸不全に陥る。報道では17日から倦怠感が出現、19日には呼吸苦の症状とあるが16日には仕事を中断している様子があり、もしかしたらもう少し前から軽い症状があったのかもしれない。この軽い状態の時にPCR検査等を行い、アビガンを投与していたのなら重症化への進行を止められ、動物を愛している元気な志村さんの姿が再びあったかもしれない。

いまだにPCR検査が日本だけは極端に少ない。クラスターの芽を摘み取る検査が主体であり、その必要としている検査ですら2~3日かかって結果が出そろってくる遅さには疑問を感じる。効率的に検査数をふやし発症者の周辺の軽い症状の方をきちんと拾い上げることが感染拡大制止につながり、また早めのアビガンなどの抗ウィルス薬投与を試みるチャンスが増え重症者、死者を少しでも減らす方向になるのではないだろうか。検査数を増やすためにも軽症者、無症状者をしばらく隔離しておく施設の整備が急務

となる。自宅隔離という言葉も行政から出てくるが中国武漢ではでは最初自宅隔離をしていたため感染増加に歯止めがかからず、2月に入って軽症者等を収容する施設を設置ししたことで収束に向かったことが言われている。イタリアも自宅隔離のため急激な増加がみられているのかもしれない。 またアビガンを一刻も早く一般診療で使用できるよう治験等を簡略化すべきである。アビガンの開発に関わった白木先生が発症6日以内の使用開始を述べておられ、特にハイリスクな方への早めの投与を望みたい。

https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14305